大病院の病棟で働くメリットと注意点を押さえよう
2023年10月29日
多数の患者を担当する大病院の病棟では、個々の入院患者の治療を理想的に行えるよう、広い範囲の医薬品の扱いに慣れている薬剤師への需要が高まっています。病棟で扱う薬剤の中には、少しでも服薬の量や回数を間違えると生命に危険が及ぶものも少なくありません。ここでは、病棟勤務を選択するメリットと仕事を続けるうえでの注意点を見ていきましょう。
日常の業務を通じて多種類の医薬品に詳しくなる
病棟勤務の薬剤師は、調剤薬局や診療所と比較すると、内服薬から外用薬まで業務の中で扱う医薬品の種類が多い傾向があります。内科と外科の両方の患者が入院している病棟では、日常の業務を通じて多種類の医薬品の知識が身についていき、知らず知らずのうちにスキルアップに繋がります。
大学の薬学部を卒業したばかりの人は医薬品に関する知識が十分でないことにより、調剤や薬の説明に色々と苦労する場面も少なくありません。働きながらそれぞれの医薬品の扱い方をマスターするには、数ある大病院の中でも入院患者の数が多めのところや、複数の診療科目があるところで経験を積みましょう。
また、同じ職種の先輩に効率の良い調剤の方法や患者への対応の仕方についてためらわずに聞くことも大切です。
将来的に手術室をはじめ高度な医療現場で活躍できる
病棟勤務のキャリアが長い薬剤師は、専門的な知識やスキルを持ったプロフェッショナルとして多くの医療現場で引く手あまたの状況にあります。中でも、手術室など高度な医療体制が整った現場では、即戦力となる人材の採用が活発に行われています。
大学病院の手術室など、難しい病気や怪我の手術の件数が多い場所では、迅速な点滴の管理や薬剤の投与が必要となり、キャリアによって医師と同程度の待遇で働くことも可能です。将来的に手術室などで自分の力を発揮したければ、若いうちから教育が行き届いた病棟の勤務を希望して、専門性の高い業務を担当するようにしましょう。
仕事と休日のメリハリをつけるようにしよう
病棟勤務は、夜勤ありのシフトが組まれるため、労働時間が毎日不規則になり、クリニックや調剤薬局のように決まった曜日に休みが取れないのが一般的です。人によって生活リズムが乱れたり、体調管理が困難になったりするので、実務経験が少ない人は覚悟して勤務を始めなければなりません。
貴重な休日を有効に活用するには、仕事のことを忘れてリフレッッシュするなどオンオフのメリハリをつけて働くようにしましょう。