薬の専門家としての役割がどんどん広がりを見せる中、対象は大人だけにとどまらず、子供にも当てはまります。薬を使って治療をするということから、医療チームの一員として果たすべき役割が大きくなっていると言えるでしょう。
■制度が設けられた理由を知っておこう小児薬物療法認定薬剤師制度とは、小児科において行われる治療の医療チームに、薬の専門家として参画するための知識や能力、さらには適性を持っているかを判断し、子供のみならず、その保護者に対しても適切な助言ができる人材を養成するために作られた制度です。治療の対象となるのは子供ですので、子供への接し方が優れている人でなければならないのは当然ですが、それに加えて医療における説明は保護者を含む大人にしなければなりませんので、子供に関わる大人を納得させられるだけの能力が求められます。子供だけでなく、大人に対する対応まで柔軟な能力が求められるのが、小児薬物療法認定薬剤師なのです。
■医療チームにおける具体的な役割は小児医療をチームを組んで行うということは、かなり高度な治療を要するということですので、勤務先は大きな病院になるのが一般的です。チーム医療の一員として薬剤師が加わることは珍しくなくなったものの、これが小児医療となると、まだまだ資格を持った人材が少ないのが現状です。小児科領域における薬物療法のエキスパートとなる必要があることから、薬に関しても一般的なものだけでは対応しきれなくなります。さらに子供への投与ということで、医師の判断が基本となるものの、薬剤師としての意見も多く求められます。その際に、子供が納得できるように説明できるかどうかという能力も求められるのは明らかです。
■認定されるのはなかなかに大変です小児薬物療法認定薬剤師になるには、特に学校に通うといった必要はありませんが、二つの要件を満たす必要があります。一つは、小児薬物療法研修会が行う研修を修了し、なおかつその試験に合格することです。そしてもう一つが、公益財団法人日本薬剤師研修センターに登録している病院の小児科病棟で実施される薬剤管理指導業務に、1日6時間を原則として参加し、小児関連実務研修を修了していることです。学校に通う必要はないとはいうものの、日々の忙しい業務の合間を縫ってこれらの研修をクリアするのは、なかなかに大変です。裏を返せば、それだけチーム医療における薬の専門家の存在は重要であり、子供を救う医療チームになくてはならないということの証だといえます。
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