薬剤師が、将来のキャリアアップや更なるスキルアップを考える際に、資格を取得する手段があります。どのような患者さんと関わりたいかにより、取得すべき認定資格が異なりますが、ここでは「日本禁煙学会認定指導者」を紹介します。
■日本社会は禁煙の流れへ向かっている一時は喫煙大国と言われていた日本ですが、喫煙者数は減少傾向にあります。これには、たばこの増税、喫煙場所の制限、たばこのイメージダウンなど、喫煙者に対して厳しい環境に社会全体がなってきた背景があります。企業にとっては、職員の保険料負担を軽減するため、健康推進の一環として、禁煙対策に取り組む例も少なくありません。喫煙する人は最初から雇わないという企業も増えてきています。このような社会の中、日本禁煙学会認定指導者(以下、認定指導者)は、これから禁煙しようと考えている人へ禁煙治療やサポートをする、子どもたちへ禁煙教育を行うなど、禁煙指導のプロフェッショナルとして活躍する薬剤師のことです。
■認定指導者になるために必要な条件認定指導者になるためには、薬剤師の資格を持っており、なおかつ禁煙領域に特化した専門知識を有していることが条件となります。そして、NPO法人日本禁煙学会が定める、次の受験資格を満たしていなければなりません。まずは日本禁煙学会の会員であることです。次に、3年間の禁煙指導・禁煙推進活動・防煙教育のいずれかを行った実績があることです。これらの経歴を、資格を受ける際にまとめて提出する必要があります。さらに所定の試験を受験して合格しなければなりません。試験は、日本禁煙学会編「禁煙学」を中心とした内容ですが、中には時事問題や新しい治療に関する問題も出題されるため、最新の情報にも注意して受験する必要があります。合格した場合、認定期間は5年間です。
■これからのニーズが高まり有利な資格認定指導者はできたばかりの資格であり、それほど知名度が高くないため、禁煙意識が広まるほど重要性を増してくる資格と考えられます。また、専門職として、医者や看護師が認定指導者の資格を取得する人は多いですが、薬を扱う専門職は比較的少ないです。一方、禁煙に関する薬も多く販売されており、それらの説明を専門的なスタッフから受けたいという患者さんのニーズも高まっています。企業が社員の健康のために補助金を出して禁煙外来へ行かせる事例も増えているので、患者さん自体も増えるでしょう。キャリアアップとして、従来の職場から禁煙外来や専門クリニックへの転職も視野に入れることができるので、職場を選択する幅が広がるのにも有利な資格となるでしょう。
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